あまづらの作り方
ツタをみつける
ツタを探しに行くのは秋がおすすめです。
写真のように、紅葉しているツタを探してください。
主軸となる枝の直径が2cm以上のツタが望ましいです。
あまり細い枝だと、十分な樹液が採取できません。
太いものは直径が10㎝ほどにもなります。
太くなると葉は上のほうに繁るので、ツタ探しはまず下を向いて、足元に紅葉して落ちている葉を見つけます。見つけたら、上を向いて本体を探します。近くにツタが隠れていますよ。
あまづら採取に適したツタを見つけたら、場所を覚えておきましょう。伐採許可を得たら、厳冬期まで採取の準備をすすめます。
ツタを切る
木や壁に張り付いている小枝を引きはがし、ツタを切り取ります。
ツタは気根というムカデの足のような根を生やし、へばりついています。まずは気根を切り、引きはがして、根元から30~50㎝ほどで切ります。
このとき、切った断面からすぐに樹液が流れ出してしまうので、ビニール袋と養生テープを用意しておき、切り口を素早く覆ってください。
時期によってはかなりの量が流れ出ます。
高い場所まで伸びたツタは、途中で切り、ロープを括りつけて引っ張ります。
作業の最中は、木屑などが落ちてくるので、十分に注意して行ってください。
つたを掃除する
自然にあるツタが材料です。木屑などが枝の表面についたままにしておくと、採取した樹液に異物が入りこみ、綺麗なあまづらができません。表面をなるべく綺麗に掃除しましょう。
料理用の小芋の皮むき手袋を使うと便利です。
ツタを切り揃える
枝の細い部分は10㎝ほど、太い部分は20~30㎝ほどに切り揃えます。
室内で作業する場合は、ビニールシートを敷くことをおすすめします。
樹液を取る 1
まずは細い部分のツタから樹液を取る方法です。
枝の先を咥え、強く息を吹き込みます。一本につき、1、2滴の樹液が採取できます。泡が出たり、空気の通りが良くなったら採取終わりです。
紙コップなどに樹液を集めていくと良いでしょう。
枝を直接咥えると口が傷つくので、養生テープなどで吹きこみ口を覆って保護してください。
連続で吹きこみ続けると、酸素不足で頭痛がしてくることがあります。小休止を挟みつつ、呼吸を忘れないでください。
樹液を取る 2
吹きこみで樹液が採取できない太いツタは、片方にビニール袋を付けて、剣道の素振りの要領で大きく半円を描くように振り下ろします。
遠心力を使った採取方法ですので、袋を付けていない方に紐を付けて振り回してもよいのですが、手で持って振り下ろすだけでも充分に樹液は採取できますので、素振り方法がおすすめです。
あまり長く振り下ろし過ぎると、枝に残った木屑が混ざったり、枝の表面に樹液が吸収されたりします。女性の力でも十回程度が良いでしょう。
樹液を集める
採取した樹液を集めます。軽量カップや器にろ過用のアミや晒(さらし)をつけて、樹液を回収します。
樹液に不純物が混じっていたり、茶色だったりするときは、コーヒーフィルターなどで時間をかけてろ過します。
この樹液を、未だ煎じずという意味をもって「未煎(みせん)」と呼ばれていました。
この未煎の糖度は8~12%程度あり、果物の甘さに匹敵します。甘いものは21%を超えた時もありました。
樹液を煮詰める
鍋に集めた樹液をいれ、強火で加熱し、まずは4分の1程度になるまで煮詰めます。
途中で甘い香りが漂います。香りは保存できないので堪能してください。
アクが出てきたらなるべくアクだけを丁寧に取り除きます(もったいないので樹液ごと取らないでください)。
時々かきまぜ、4分の1ほどになったらかき混ぜながら糖度を確認しつつ火力調整します。
糖度が60%ほどになったら、鍋を水に浸して冷ましながら糖度を確認しては熱してを繰り返します。
糖度が75%前後になれば完成です。80%以上になると気泡が入りアメ状になって味も変わります。熱しすぎは要注意です。
おおよそ、10分の1ほどの分量になります。
冷ますと粘り気が出て、掬い上げたときに糸を引くようになったら完成です。